「背縫いがある浴衣は、背縫いからほつけてくるので背縫い無しの浴衣の方が長持ち」
業務用繊維製品を販売している営業マンが良く言っています。
ええ、これは嘘です。
嘘と言っても意識して嘘を付いているのではなく、どちらかというと”無知”のほう・・・
背縫いとは、浴衣に限らず着物でも同じですが、基本的に小巾=36cm巾の生地を使って仕立てるので、背中で二枚つなぐ形になります。
その背中のつなぎ目を「背縫い」と言います。
背縫いが無いと言う事は、背中でつなぐ必要が無い=広巾生地を使っている、と言う事です。
小巾生地は日本独自の物。
中国製浴衣を作る場合、生地は広巾しかありません。当然背縫いが無くなります。
きっと中国製の浴衣を売りたい商社の営業マンが、「背縫いが無いから丈夫!」と言いだしたのでしょうか、そんな想像をしてしまいます。
まして見た目も、縫い目がある=弱いんじゃないか、となりやすく、今では当たり前のように「背縫い=弱い」のように言われています。
実際は、背縫いはかなり丈夫です。
背縫いからほつけてくることは、まずありません。
背縫いが取れてくるのなら、他の縫い目も取れてきます。
実際に使っている、リネンサプライ、旅館、ホテルの方々が、背縫いに関して騙されているのが、とても悲しく感じます。
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