2015年8月25日火曜日

絵羽浴衣

着物のように、袖は袖、裾には裾にそれぞれ違う柄が入っている浴衣を「絵羽浴衣」と言います。

着物の場合は白生地で仮仕立てをして柄を配置し、それを解いて柄を付けて行きます。
浴衣の場合、白い浴衣に直接絵師が絵を描いて色止めして作ります。



「じゃあ、白い浴衣を作ったあと、インクジェットとかでプリントできないの?」

縫い目のところが、プリントが浮いてしまうからプリントできません。
直に描けば、絵師の手法で出来ますが・・・

とまぁ、「オリジナルの柄の浴衣を作りたいんですが・・。」との問合せの多くは、こんな感じだったりします。



絵羽浴衣


この間の郡上踊り。
絵羽浴衣を着ている方もいらっしゃいました。

でも実際に見ると、紛れもなく踊り用の浴衣。もしくは演歌歌手。
平面の絵で見るより、良い物ではありませんでした。

やはり昔から続く柄は、続くだけに良い物があります。
浴衣の柄もTPOを外れない良い柄は昔からの柄だったりします。
(昔からの柄を踏まえた新しいデザインもOKですが)




「背中の真ん中にでっかくロゴを入れて欲しいんだけど・・・」
それは、半纏かなにかでしょうか?



2015年8月20日木曜日

郡上踊り

郡上踊りに行ってきました。


郡上踊りのドレスコードは浴衣です。
なのでこの時の郡上は浴衣率がとても高く、視界に入ってくる人の1/3は浴衣くらいの高さです。
これだけたくさんの浴衣を着ている人が、普通に街を行きかう風景は初めてです。

はい、職業柄、しっかり観察してしまいました。


女性だけでなく男性の浴衣率も高いのが特徴です。
しかも男性の付け帯率が非常に低い!
みなさん、きちんと結んでいます。
しかも「貝の口」や「浪人結び」だけでなく、初めてみるような結び方も見ました。

女性はプレタ浴衣が多いのは仕方ありませんが、付け帯率が高いのはちょっと残念です。






実際に踊りが始まると、色々な浴衣を着た人が見られました。
女性用の浴衣を男性が着ている物、布団カバーのような柄で作ったポップな柄。
それに合わせる様々な帯。

これは勉強になります。
実際に着ている浴衣と帯のセットです。
これだけの例をいられる機会はありません。


踊りながら浴衣を見て、おっと踊りがずれてしまう、でもあの浴衣も興味深い・・・
あわただしく郡上踊りを楽しみました。


あとホテルの浴衣で踊っている人もいましたが、やはり旅館浴衣は旅館浴衣。
外で着るものではありません。




2015年8月18日火曜日

天竹神社

先日、西尾市の天竹神社に行ってきました。
この天竹神社(てんじくじんじゃ)は全国的にも珍しい、木綿の神様です。

平安時代の頃、今の西尾市の海岸に崑崙人が漂着し、木綿を伝えたとの事です。
その崑崙人を祭っているのが、この天竹神社との事です。



西尾市 天竹神社



 実は地元浜松市にも繊維の神様があります。
北区三ケ日町の初衣神社ですが、こちらは絹織物の神様です。

弊社の商売的には木綿を扱う事が圧倒的に多いため、 いつかは木綿の神様に御参りしたいと思っていました。
 今回、西尾市に訪れる事が出来て本当に良かったと思います。





天竹神社




本殿の横には、木綿に関する資料が展示してありました。
ただ御参りするだけでは無く、色々と勉強になります。

木綿は今では簡単に手に入り、安価な生地のほとんどが綿生地だったりします。
でも綿の繊維から糸を紡ぎ、それを布に仕立てるのはとても大変な作業です。

今、繊維を生業としているのですから先人たちの知識と苦労に触れるのは、とても大切だと感じています。





2015年8月10日月曜日

夏季休暇のご連絡

いつも、アイエス産業を御愛好いただきまして、誠にありがとうございます。

勝手ながら、下記の期間を夏季休暇とさせていただきます。



8/12(火) ~ 8/16(日)


宜しくご了承お願いたします。


夏季休暇のご連絡
※上記画像はイメージです。



と、夏季休暇と言っても、結局は仕事しているんですが・・・
でも営業倉庫は閉まっちゃうし、問屋さんも連絡付かないし、工場も動かないし。
これじゃあ出荷ができなくなる、ってんで、一応お休み。


若干社内に在庫がありますので、その分だけは発送できます。
もし、どうしてもって事がありましたら、一度ご連絡ください。
出来るだけ対応いたします。


宜しくお願いたします。


2015年8月4日火曜日

旅館浴衣の生地について

汗を良く吸い取り、風合いが柔らか、でも漂白剤を入れて洗濯機で洗う事ができる、旅館浴衣の生地に注目するトコロが多くなっています。

でもちょっと待ってください。
一般的なアパレルの生地とは違い、旅館浴衣は生地で在庫されている物ではありません。
必要に応じて作られる物です。


だって、旅館の浴衣って名前やロゴが入っているじゃないですか。
そんな生地、在庫で取っておいたって、他には使えません。
だから生地を作ったら、全部浴衣に仕立てて納めます。




日本製 旅館浴衣 生地


ロゴや名前の入っていないデザインも、けっこうたくさんあります。
ただ、それらのデザインも生地で置いてあるのではなく、「自由に使っていい型」として置いてあります。
浴衣に仕立てる場合は、その型を使って生地を作ります。


一般的なアパレルの生地よりも少ない量で作れますよ、と言っても、「うーん。やっぱいいや。」って断られる話が殆ど・・・

もっと、「この柄で、色はコレに変えて・・・」みたいに話が進めば面白いのですが、やっぱり繊維関係の会社は、どこも体力が衰えているのでしょうか。
せっかく新しいモノができるきっかけだと思うのですが、話が途切れてしまうのは寂しい物です。