2015年10月28日水曜日

家康楽市にて 陣羽織

10/24、25と開催された”家康楽市”。
今回から出店となった遠州綿紬の「ぬくもり横町」のお手伝いで参加したのですが、とても嬉しかった事があります。

昨年依頼を受けてつくった「徳川家康公 顕彰400年記念 陣羽織」。





陣羽織 オリジナル 徳川家康




納めて大分経ちましたが、今回の家康楽市にて色々な所で使ってくださっていました。

これは本当にうれしい。
作り手冥利に尽きます。







嬉しくて写真を撮らせていただきました。



他にもステージに上がっている方など色々なところで着てくださいました。


弊社は業務用としてオリジナルの物を主に作っています。
お客様は日本全国です。
ですので、実際に作った物が使われているトコロを見る事はあまりありません。
こんな風に見られるのは、本当に感激です。

物を作っていて良かったなぁ。


2015年10月23日金曜日

コールテン生地購入

先日の愛知大学の市民トラムで別珍・コールテンが紹介されているのを聞き、急に欲しくなって購入してしまいました。

磐田市福田町のコーデュロイハウスにてハギレを購入です。


実はコールテンを今まできちんと手にとって見た事がありませんでした。
改めて触ってみると、おお、これは気持ち良い♪

起毛生地で有名なベルベットは経糸を切ります。
別珍・コールテンは横糸を切ります。

なんにしても綿生地がこんな気持ちの良い生地に変わるなんて、改めて驚いています。




コールテン 別珍 日本製



繊維と言うと、最近は何でも中国製が増えてきました。
でもこれだけ繊細な加工は日本ならでは、だそうです。
中国ですと、粗くて駄目だそうです。


見れば見るほど良い生地です。
今回この生地は足袋を作ろうと購入してきたのですが、他にも見に付けたくなってきました。
どこかでズボンとか作ってくれないかなぁ。
(Spiralさんあたりで作らないかなぁ)




2015年10月20日火曜日

国内の縫製の仕事

「今まで中国で縫っていたんだけど人件費があがっちゃって・・・。だから日本国内で安くできるところ無いかなぁ。」

最近、こんな問い合わせが増えてきました。

まったく!!
日本国内が高いから中国に持って行ったのに。
日本国内の加工屋さんに中国よりも安く モノを作れ、って言うんでしょうか。


今、日本の加工屋さんはけっこう仕事が入っています。
また繊維に携わっている人の多くは御年寄です。
すでに年金で暮らしている人が殆どです。
今までの付き合いとか、仕事をたたむと技術が失われてしまうのが惜しくて、仕事を続けている人が多いのです。


はっきり言って、仕事をしなくても食べるのに困らない人ばかりです。



二部式 旅館浴衣 寝巻


今までの仕事の付き合いと信頼関係で仕事が回っている部分が、繊維関係は多いような気がします。

価格や仕様の大変な仕事は、一歩間違えると会社同士の信頼関係が無くなってしまいます。


いきなり問合せをもらっていきなり安くと言われても、弊社ではそんな仕事は受けられません。
当然長い付き合いの御客様から、複雑な仕様、安い価格の商品を相談受けたら承ります。


なんていうか、こんな事を大きく言わなければいけない状況が、少し寂しく感じます。






2015年10月15日木曜日

「ヒトと糸・布が織りなす世界」

愛知大学の豊橋校舎で開催されている市民トラム「ヒトと糸・布が織りなす世界」も、はや3回目を迎えました。

一回目の、「人はいかにして糸を作りだしたか」から二回目の「機械で糸を作りだす技術の紹介」、
そして三回目はコール天、別珍の加工について。


改めて日本の経済を支えてきた繊維産業について考えさせられました。
今、繊維産業は斜陽産業になっています。いえ、繊維だけでは無く製造業自体が下り坂になっています。
自分の回りを見渡しても、製造業に付いている人はそれほどいません。



「ヒトと糸・布が織りなす世界」



なんといいますか、このままだと色々な繊維の技術が埋もれてしまうのがもったいない。
とても繊細な職人さん達の技術が、どんどんと無くなっています。

とりあえず僕は繊維の世界にいますので、繊維の技術が少しでも残るように仕事をしてかないといけません。
そのためにも、”先に販売価格有りき”の商品開発は無くしていきたいと思います。
やはり物が売れないのは、営業の能力不足だと思いますから。







2015年10月9日金曜日

旅館浴衣のロット

旅館やホテルで使われる業務用の浴衣は、ディクセル方式の顔料プリントです。
顔料プリントですので、色々な色が使え、また洗濯時に漂白剤で洗う事ができます。
ディクセルプリントは、業務用に開発された浜松でしかできないプリント方法で、湿摩擦が強く毎日の洗濯にも耐える事ができます。


そう、顔料プリントなのです。
型を使ってプリントします。
もちろん機械でプリントします。

大型の専用の機械を使うので、「最低これだけの量がないと機械が動かせません」と言う量があります。

基本、最低の量は660m・・・・

小巾の浴衣で120枚くらい。二巾の浴衣で150枚くらい、三巾の浴衣で180枚くらい。
(長さが同じでも生地巾が広ければ広いほど枚数がとれます)



業務用 浴衣 プリント



「50枚だけ作る事はできますか?」

はい、できますが、生地は660mプリントしなくてはいけません。660m分プリントした後、50枚ぶんだけ仕立ます。当然1枚単価は上がります。


「試作で1枚つくれますか?」

はい、できますが、やはり660mプリントしなくてはいけません。当然型も新たに作ります。660mプリントして、1枚分だけ作る事になります。一枚単価は、660m分の生地も加わります。



業務用の浴衣を使うトコロもどんどん規模が縮小されています。
昔はこの規模でも小ロットで出来るとありがたがれていましたが、今では多いと言われてしまいます。

 旅館・ホテル業界自体があまり良くないという一つの表れでしょうか?
少し寂しく感じます。