2015年7月21日火曜日

和モダンの浴衣

愚痴なので読まなくていいです。


オリジナルの浴衣を、との話をいただくたびに思い出すのは、まだネットで商売を始めたばかりの頃に受けたある旅館からの問合せ。

「和モダン柄の浴衣を送ってくれないか?」
まだ加減がわからない頃なので色々な柄を提案したのですが、結局話が合わずに流れました。

お客様のやりたいことは、たくさんのできあいの浴衣の柄を並べてその中から選びたい。
でも実際は、旅館の浴衣はオリジナルで作る物なので柄自体に著作権があり出せない物が多いのと、出せる柄は無難なものになってしまう。



想像する事って、けっこうパワーを使います。
また新しい柄を作るのもリスクがあります。

最近、想像したくない、リスクは避けたいと言う方が多くなり、結局メーカーの作ったカタログに載っている中国製の浴衣を購入するトコロが多くなってきた気がします。
これは新たなビジネスチャンス!
考えたくない人のために、こちらでセットして浴衣を選んであげれば喜ばれます!


でもそうゆうのは果たして良い事なのでしょうか?
自分の旅館を自分でコーディネートするのは、一つの醍醐味だと思うのですが。
他には無いサービス、他には無いイメージの風景。
それを喜んでくれる宿泊のお客様。
それをサポートする我々の業種。



なんとなくですが、想像力が乏しくなっているため、目先だけで動いている方が多くなってきたような気がします。
それはそれで新たな業界の流れとして対処するべきかもしれませんが、うーん、でもやっぱり宿泊されるお客様が喜んでくれるような、それを見て嬉しく感じるような旅館やホテルの経営者の方々のために仕事をしたいなぁ。
完全に自分の好みなんですがね。



最近は、浴衣のデザインも型のデザインだけではわからないとの声が多くなってきました。
仕立て図が欲しい、着たところの図が欲しい、一枚実物を作れないか・・・・
ある意味、作る方としては想像力の無い人を相手にするのは”楽”です。
使われ続けた後の形とか考えず、ぱっと見た目が良くって、欲しがりそうなモノを用意すれば良いのですから。
昔は型のデザインだけでわかる人ばかりでしたので、こちらも想像力をフルに使い、実際に宿泊されたお客様が着た時の様子、50回洗うとどうなるか、など先々の事まで想像し、それに対処できるような作り方をするのが当たり前でした。
旅館やホテルの経営者との一対一の対決のような緊張感があり、それで切磋琢磨して良い浴衣を作りあげてきました。


そんな昔の思い出に浸りながら、今の浴衣事情を考えています。
時代の流れに付いていけない、お爺さんみたいだなぁ・・・・












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