旅館やホテルなどで使われる業務用の浴衣は、「寝巻仕立て」で仕立てられています。
寝巻仕立てとは、文字通り寝巻として使われる浴衣の仕立方で、今では「リネン仕立」とも呼ばれます。
寝巻仕立てで仕立てられた浴衣は、本来は屋内で着ることを目的としています。
(旅館街で浴衣を着て散策しているのは、旅館街だからこそ)
使い方の特徴としては、不特定多数の人に提供され、何度も何度も洗濯をされ、また寝巻として寝苦しくないようになっている事です。
仕立ての特徴として、袖は筒袖、脇に力布、衿が狭いこと、奥身が狭いことが挙げられます。
衿と奥身が狭いのは、生地を無駄なく取るための物。
小巾生地で、巾方向で余りがないような寸法となっています。
袖が筒袖なのは、洗濯時に水が抜けやすいように。また寝る時に腕の自由がきくように。また縫製が簡単という面もあります。
元々和服は体に巻き付けて着る物。
巻き付け具合でサイズを調整いたします。
不特定多数の人が着る物として、浴衣はとても適しているのはこの点です。
パジャマでは、サイズがきっちりしているので誰もが気持ち良く着れる物ではありません。
今、改めて業務用の浴衣を見直すに、とても機能的で使いやすい物と認識いたしました。
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