業務用として使われる寝巻仕立ての浴衣は、着用→洗濯を繰り返し、繰り返し行われます。
その過酷な環境に耐えられるよう、大日本インク(現・DIC)が、ディクセル方式の顔料プリントを開発しました。
湿摩擦に優れた反応染料と違い、それまでの顔料プリントは摩擦に弱い事が欠点でした。
でも専用の前処理、専用の顔料、専用の後処理を行うディクセル方式で染められた浴衣は、反応染料並みの強度があり、また顔料ならではの数多くの色が使える事から、今では日本製の浴衣の主流になっています。
そう、よく商社の営業マンが 、
「この浴衣、中国製ですがディクセル顔料使っているから丈夫ですよ。」
そんなディクセル顔料なんて顔料は有りません。
先にも述べたように、専用の前処理、専用の顔料、専用の後処理があってこそのディクセルです。
業務用の顔料プリントの場合、特に大事なのは後処理です。
ベーキングと呼ばれるプリント後に施される後処理で、顔料の定着率が決まります。
僕の経験ですが、中国製の浴衣は全般的にベーキングが甘いです。
ベーキングが甘いと、すぐにハゲます。
特に濃い色の部分はみっともなくなります。
何度も何度も「ディクセル顔料なんてありません!」と言っているのに、未だディクセル顔料だからと話を刷る営業マンが多いのは何故でしょう。
で、それを聞いて納得する旅館やホテルの関係者が多いのも、がっかりいたします。
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