旅館やホテルなどで使われる茶羽織半天や陣羽織ですが、仕立てる際には裏地を付けます。
裏地が無いと、浴衣など下に着る物と摩擦が大きくなってとても着にくくなってしまいます。
裏地に使われるのは、ナイロンタフタ生地が一般的。
薄手で丈夫な生地です。
裏地の取り付け方は、”半裏”と”総裏”があります。
半裏は肩から背中の中ほどまで付いている物。
殆どがこのタイプです。
総裏は着物の”袷”と同じで全てに裏地が付いています。
この”総裏”ですが、作る方としてはとても面倒くさい物。
技術も必要ですし、作れる人も限られます。
先日、縫製屋さんの社長さんと話をしていたのですが、もしかしたら”総裏”を縫える人って日本に数人しかいないんじゃないかと思いました。
多分その縫製屋さんは日本で一番茶羽織や陣羽織を作っていると思うのですが、社長さんの所でも、2~3人だけみたい。
だから総裏指定の話がくると、段取りを付けるのがとても大変。
もちろんそんな”総裏”仕立てなので、当然価格も高くなります。
また値段も中々下がりません。
しかも縫える人が限られるので、たくさん作っても価格は変わりません。
そろそろ、総裏仕立ての見直しが必要になってきていると感じました。
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