2014年1月8日水曜日

新興国で繊維が難しい理由

今まで繊維製品というと中国がメインの産地でしたが、中国の人件費が上がっていること、色々な政治的な問題等もあり、中国であまり物を作りたがらない風潮があります。


「中国が駄目なら、もっと人件費の安い国で作ればいいじゃん。バングラディシュとかミャンマーとかいっぱいあるじゃん。」


良く耳にする言葉ですが、いやいやいや、物を作るってそんなに簡単な物ではありません。
僕は繊維業界の人間なので、繊維に限っていえばインフラがしっかりしていないと布は織れません。



遠州綿紬 織り工場




わかりやすい所で、電気が無いと織機やミシンは動きません。
電気がきちんと来る国でないといけません。

また布を織る時、ゴミやホコリがあるとそれも一緒に織りこんでしまいます。
なのできちんと換気しゴミが無い状況で織らないといけません。

また布を織る時に、糸に織機の滑りを良くするためのノリを付けます。
細い糸ほどノリづけは密閉された部屋で行わなければいけません。
密閉された部屋=きちんと空調が完備された部屋、となります。


人件費だけで簡単に違う国に工場を持っていくわけにはいかないのは、こうゆう事があるからです。



「じゃあ、日本国内でつくればいいじゃん。」

となるのですが、日本国内では人も技術も工場も残っていないのが現状です。


モノ作りは、なかなか簡単には行きません・・・。



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