旅館、ホテル様とのお話しで、
「この浴衣は物が良いねぇ、生地が厚くてしっかりしている。」
しっかりしていかどうかはさておき、その浴衣、中国製の安い生地を使ってますよ。
どうも厚い生地=良い物、という認識があるようで、それに気が付かない新人の頃は頭の中が?となっていました。
厚い生地と言っても色々な理由で厚くなります。
浴衣生地の場合で言うと、織り方は普通平織りなので後は糸の太さになります。
太い糸を使えばその分厚くなるし、細い糸を使えば薄くなります。
均一に細い糸を作る方が難しく、また使われる綿も良い物が求められます。
細い糸が出来た後、それを織るには糊付けが必要ですが、その際密閉した部屋で無いとゴミが付いてしまいます。そのため細い糸の糊付けには空調設備が欠かせません。
色々と書いてしまいましたが、要はインフラと技術と良い材料が無いと細い糸は作れません。
と言う事は、単に厚さだけで”良い生地””悪い生地”の判断はつかないと言う事です。
一般的な日本製の本仕立ての浴衣は、30/30の特岡生地。
一般的は日本製の旅館浴衣は、30/20の特岡生地。
中国製の旅館浴衣は、20/20生地(シーチング)。
20番手の方が太いので、中国製の浴衣は厚くなります。
シーチングの方が流通量は多いので、生地価格も安くなります。
ただ元々衣類に使う生地では無いので、糸の打ち込みが甘いです。
洗うと良く縮むのが中国製・・・・
良い生地は細い糸を使っていても、打ち込みがしっかりしているので縮みません。
縮まない=型くずれを起こしません。