2014年6月5日木曜日

業務用浴衣の反応染め

旅館やホテルなどで使われる寝巻仕立ての業務用浴衣は、不特定多数の人が着て、毎日洗濯されています。


そう、不特定多数の人が着ますので、しっかりとしっかりと、念入りに洗われます。
となると、生地に非常に負担がかかってくるわけで・・・

洗濯をすると色が落ちます。
極微量な色落ちから、どばっと落ちる物まで。


一昔前までは、業務用浴衣は反応染料での染めでした。



業務用 浴衣 生地 反応染め


反応染めの生地は、裏まで染料が浸透しているのが特徴です。

この反応染めは、湿摩擦に対しての耐久性が非常に優れており、洗濯を繰り返してもなかなか色落ちしません。
また価格も安く、値段に厳しい業務用の業界では非常に重宝されていました。

しかし紫外線に弱い漂白剤を使うと一気に色落ちする色出しが大変といったデメリットもあります。


その後、反応染料を作る際に公害が出る恐れがある、ということで染料の生産が無くなりました。

反応染料で染められた浴衣は、風合いが良く柔らかで、着心地の良い物でした。
今となっては思い出の”染料”です。





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