包布（ほうふ）の収縮

医療系の施設で良く使われている包布（ほうふ）ですが、こちらも洗濯をすると縮みます。
そのため最初から若干大きめで作られていますし、中に入る布団も縮みますから入らなくなることはありません。


業務用の繊維製品の場合、収縮率は綿生地の時には10～12％、化繊混紡の生地の時には8％前後と見ています。
また、収縮するのは縦方向に縮み、横方向はあまり縮みません。

こちらの定番の包布（ほうふ）のサイズは、150×210ｃｍ。
主に縮むのは210ｃｍの方です。

生地は二種類あります。
なので、205本綿の場合、縮むと約190ｃｍ。
化繊混紡のT/C30/70の場合、約193ｃｍになります。


一般用の布団カバーは防縮加工を施している場合ありますが、業務用の場合は加工はほとんどされません。

そのため縮みきった後の形を考えて、作られる場合が多いです。

旅館の浴衣

旅館やホテルで使われている浴衣の多くは、実はクリーニング会社からのレンタルです。
だからというわけではありませんが、浴衣に関して思ったほど気を使っていないところが多いようです。


「えっ！そんなことないですっ！！うちはこだわってます！オリジナルの浴衣です。」

　と言われるかもしれませんが、色が剥げたりほつれがあったり。
作ったばかりは奇麗に見えたけど、今ではくたびれきった浴衣です、みたいな物を出しているトコロが多いようです。

・何種類も柄の違う浴衣を出してくれて「お好きな物を」と言われたけど、良い柄が無くって仕方なく適当な物を選んだ。

・出てきた浴衣が汚くみえて、結局袖を通さなかった。

・ 浴衣が破れていた。汚れていた。



旅館に泊まる時は、料理とか雰囲気とかそちらの方に気が向きます。
なので浴衣の不満は出てきづらいのです。

旅館としては浴衣に対して不満があっても、それってレンタル会社の責任だし新しい浴衣をそろえてくれって言うと溜まってるレンタル料を請求されるし・・・みたいな事情もあったりします。


けど浴衣を作っている側からすると、一生懸命作った物があまり幸せでない扱いや評価を受けているのは面白くありません。
色々な事情があるのもわかりますが、それを見越した上での浴衣作りを提案していきたいと思うのですが・・・

包布の販売

弊社で取り扱っている商品は、業務用として使われている繊維製品です。


楽天ショップに「包布」を載せました。
「包布」とは「ほうふ」と読みます。掛け布団カバーの一つですが、中に入れるのは布団よりも毛布が多かったりします。

病院や介護施設など医療系の施設で使われることが多い物で、「シーツ」「枕カバー」「包布」の三点セットで使われます。


楽天ショップ旅館浴衣の専門店アイエス産業　包布
　http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/c/0000000142/

業務用として何度も何度も洗われることを想定し、ファスナーやボタンなど壊れやすい物は付いていません。
布団（毛布）は、横の入り口から入れて紐で閉めます。


今回、このカバーの名前を考える時、業務用の繊維業界的には包布（ほうふ）と言っていましたが、一般的には布団カバ―かなぁ、毛布カバーかなぁと迷っていました。
でもよくよく考えると、このカバーを一番求めいているのは医療関係の人。
医療関係ではなんというか聞いてみたところ、やはり「包布（ほうふ）」だそうです。



撮影用に毛布を入れて布団とセットしてみました。
思わずそのまま昼寝をしたくなります。

きものひろば

3/21～23、西尾市の呉服屋「あずまや」さんがぬくもり工房で”きものひろば”を開きました。

”きものひろば” とは着物の展示即売会です。
でも良く言うホテルの会場を貸し切って、1着○百万円の着物の売買をするようなものではなく、もっと気軽に着物を着るための会です。

「着物は日本人が何百年も着て着た物。日本人の体に一番合う衣服です。」

一年のほとんどを着物で過ごすあずまやの店長さん。
まだ30代半ばの若い方です。

「着物を着て、普通にラーメン食べに行ったり焼肉にも行ったりしますよ。」

なるほど、アメカジとかのように普通に着物を着ているのですね。

「普通に着るなら綿の着物が一番です。価格も安いし、家庭の洗濯機で洗えるし。」

 実は以前から着物を着てみたかった僕です。

遠州縞の着物だったら二万円くらいでできると聞いて、うーん買っちゃおうかなぁ。
でも帯とか草履とか色々必要ですし、これは一度あずまやさんにお邪魔してそろえて見るのがいいのでは・・


とても真摯に着物の普及に努めているあずまやさんの話が聞けて、とても楽しい時間を過ごせました。

”業務用”は業務用であること

弊社で取り扱っている商品は、旅館やホテルなどで使われている業務用の繊維製品です。

業務用の製品は、繰り返し洗濯をされて使われます。
まず商品が届いたら、梱包を開けてそのまま洗濯機に突っ込みます。
そのため、できるだけ梱包機材は省かれます。

新品でもまず洗い、清潔な状態で宿泊しているお客様に出されます。

 業務用の製品は乱暴に扱っても大丈夫。
とても使い勝手の良い商品です・・・ですが、やはり一般用の商品との違いをあまり理解されていないようで・・・・


浴衣も一枚ずつ袋に入っているわけではありません。
外側の梱包も質素です。


なので個人で購入されたお客様には、とても物足りないかもしれません。
でも元々業務用として作られて、業務用として流通している商品なのですから、「質素」と言われても変更のしようがありません。
変更してしまったら、メインのお客様が困るからです。


やはり業務用製品は、一から十まで業務用に作られているのが 一番良いと感じます。

業務用掛け布団カバー 販売

業務用の掛け布団カバーの販売を始めました。
というか、楽天ショップに載せました。

ようやく・・・・なのです、はい、手が遅いのです・・・。




【ホテル・旅館・リネン用】業務用　掛け布団カバ―　丸グリ型　シングルサイズ　Ｔ/Ｃ186本
http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/hc-i186tc/


【ホテル・旅館・リネン用】業務用　掛け布団カバ―　丸グリ型　シングルサイズ　205本綿　5枚セット
http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/hc-i205m-5/


【ホテル・旅館・リネン用】業務用　掛け布団カバ―　丸グリ型　シングルサイズ　24/24綿　5枚セット
http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/hc-i2424m-5/ 

業務用の定番掛け布団カバーの特徴

• シングルサイズ、だけ。
• ファスナーやボタンなど壊れやすい物、破損する可能性の あるものは付いてない。
• 何度も何度も丸洗いができる。
• 丈夫である。

使っている生地も一般用のカバーよりも厚めの生地を使っています。
なので業務用に慣れてしまうと、一般用のカバーが心もとなくなってしまいます。

また簡単に洗えるのは嬉しいトコロ。
いつも清潔に使えます。



さて、今度は包布（ほうふ）のアップに取り掛かります。
あいかわらず手が遅いのですが。

陣羽織への刺繍

弊社の取り扱っている商品は、旅館やホテルなどで使われている業務用の製品です。
なので陣羽織と言っても、本来の鎧の上に羽織る物ではなく、袖なし半天と呼ばれる物です。


お客様からの依頼を受けて作った陣羽織が、出来上がってきました。
依頼を受け、と言ってもベースは定番の陣羽織と同じ。
ただ、胸に刺繍が入っています。

ご覧になって気が付いたと思いますが、お客様の名前が斜めについています。

これは、着た時の見栄えを優先させた結果です。
着た時にまっすぐに見えるように考えて付けられているのです。

どうでしょう、さっきの斜めがまっすぐになりました。

ちょっとした事かもしれませんが、このちょっとした事が経験なのです。

業務用掛け布団カバーのカタチ

弊社で取り扱っている商品は、旅館やホテルなどで使われている業務用の繊維製品です。


業務用に使われる掛け布団カバーは、一般家庭で使われるカバーとは色々と仕様が異なります。


大前提として、業務用の掛け布団カバーは繰り返し洗濯をして使われます。
洗濯後は、業務用のローラー式のアイロンで乾燥され畳まれます。

ローラー式のアイロンに掛けると、ファスナーやボタンは壊れます。
なので業務用の掛け布団カバーには、それらの物が付いていません。

一般家庭用のカバーでしたら、横についいるファスナーを開けて布団を入れます。
じゃあ業務用は、というと中央の穴から出し入れします。


内側の四隅には紐が付いていますので、それで布団を固定します。



業務用の製品は、どれも丈夫で長持ちするよう考えられています。

綿と化繊混紡の布団カバ―

弊社で取り扱っている商品は、旅館やホテルなどで使われている業務用の繊維製品です。


当然、弊社で扱っている布団カバーも業務用。

丈夫で余分な物が付いていない、しかも色は白のみの業務用の製品です。



業務用の布団カバーの定番品は、TC186本の化繊混紡の生地の物。
化繊と綿の割合は、65％と35％とテトロンの割合が多くなっています。

もう一つ、205本綿という、綿100％のカバーもあります。
205本綿とは、糸の打ち込み本数が205本と言う意味です。
先のTC186本も、糸の打ち込み本数が 186本と言う意味です。

糸の打ち込み本数が違うし、化繊混紡と綿という素材自体も違うから当たり前ですが、風合いはまるっきり異なります。

205本綿のカバーの方が厚くてしっかりしています。
また白度も高いです。

手触りは、T/C186本はするっと滑りますが、205本綿はしっとりと吸いつく様です。


どちらが良いか、というと使う人の好みに寄りますが、どちらが高級そうに見えるかというと”205本綿”の方です。


これらの布団カバ―、直接ご連絡いただき販売していますが、近日中にネットショップに掲載予定。現在追い込み中だったりします。

きらりマルシェ

浜松市の半田山きらりタウンの浜松信用金庫の駐車場で、定期的に朝市が開かれています。

主催は遠州綿紬の”ぬくもり工房”さん。
9：00～11：00までの3時間の開催です。


先日、加工依頼の生地を受け取りにぬくもり工房さんに行った際、
　「石津さん、今度の金曜日にきらりマルシェですから、来てくださいね。」

そういえば、以前も言われたけど結局行かなかったような・・・
今回は是非行ってみよう、と。

最初のイメージでは、野菜を売っているのかなぁ、と思っていたのですが、実際に行ってみるに野菜だけでなく、手作りベーグルやお茶の詰め放題、ジャムやお菓子など、様々なこだわりの逸品が並んでます。


今回で3回目となる「きらりマルシェ」ですが、近隣の人が楽しみにしているそうです。

遠州綿紬の認知を上げるため、と言う目的で始めたと聞きましたが、とても良いイメージアップになっていると感じました。


とまじめな事をお書いてますが、実際は純粋に楽しいイベントでした♪

絵羽浴衣の型

弊社では、オリジナルの絵羽浴衣の作成も承っております。


オリジナルを作る際には、染型が必要です。
絵羽浴衣の場合、左身ごろ、右身ごろ、奥身、袖などそれぞれパーツ毎に染めなければいけません。そのため、それぞれに型が必要になってきます。



わかりやすく言うと、

　右身ごろ用：1型
　左身ごろ用：1型
　右奥身用　：1型
　左奥身用　：1型
　右そで用　：1型
　左そで用　：1型
　衿用　　　　：1型
---------------------
合計　　：　7型


　最低これだけ必要になります。

洋服と違い、浴衣は肩のところで縫いつけていません。
前身ごろ、後ろ身ごろは繋がっているだけです。


そのため身ごろを染めるには、3ｍ近い型が必要です。
　身丈：145ｃｍとすると、前の部分で145ｃｍ欲しく、そのまま後ろまで繋がっているのでもう145ｃｍ。145ｃｍ×2＝290ｃｍ。あと余白が必要ですので、やはり3ｍは欲しいです。


3ｍの型は、枠がアルミでできています。
アルミは軽くて丈夫なのですが、高価です。


 オリジナルの絵羽浴衣を作る場合、型代の高額さにみなさん驚かれますが、こうゆう理由があって高くなるのです。

浴衣平帯 50本セット

弊社で取り扱っている商品は、旅館やホテルなどで使われている業務用の繊維製品です。
となると、帯もやっぱり業務用の帯。


弊社一番人気は、「浴衣平帯　紺地に白五本線　5×230ｃｍ」。

今までは、1本、20本、100本の三タイプでしたが、この度お客様からの御要望が多いため、50本セットを作りました。

【旅館・ホテルの定番品】業務用　浴衣平帯　紺地に白五本線　5×230　50本セット
 http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/ob-h51k-50/



ちょっとマニアックな話かもしれませんが、旅館やホテルでは浴衣はレンタルする場合が多いのですが、帯は自分で揃えます。
そのため、帯はギリギリの数で回す場合が多いようで、 その分色々な本数のパターンがあると便利なようです。


この平帯の特徴は、固いこと。
堅くきっちりと結べるので、和服に着なれている方は「この帯じゃないとっ！！」と決めいている人もいるみたい。


価格が安い事もあり、日本中で使われている定番中の定番”帯”です。



 

在庫特価品の半天

在庫特価品で販売してる茶羽織半天には、色々な形があります。


　1、製品に仕上げられて在庫となった物。
　2、生地で置かれている物。
　3、裁断までされていて、縫製はまだの物。
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製品まで仕上げられてそのまま在庫となった物は、余り生地もすでに片付けられている場合がほとんどです。
（製品にしてから、10年在庫・・・みたいだと、生地もキレも捨てられています。）

生地で置かれていたものは、当然生地サンプルの提出ができます。
また希望の仕立てで製品を作ることもできます。


裁断までされている物は、ゴミになる場合がほとんどです。
たいていの場合、部品のいくつかがどこかに行ってしまってます。

価格としては、製品で在庫となっている物が一番安く、生地で置かれている物が高くなります。

製品として出来上がっていると、もうそのままでしか使えません。
いまさら「袖なし（陣羽織）が良かった。」と言っても駄目です。


その分生地で置かれている物だったら、どのようにでも仕立てられます。



困ったのは、最近お客様の問い合わせで特価品の話が出てくるのですが、
「その安いヤツ、生地見本か何か送ってくれない？」
　と言われることです。


すでに余り生地は処分されているわけで、だからといって一着送るのもなぁ・・・と言う具合。

写真で納得してもらえれば良いのですが、中々上手く行きません。

上棟式用手ぬぐい、販売しています。

本日、浜松市内のお客様へ上棟式用の手ぬぐいを納品してきました。

こちらのお客様、上棟式用の手ぬぐいを求めて非常に苦労されたようで、浜松市内のお店どころか東京に行った時まで探してみたそうです。
結局どこにも見当たらず、あるお店の紹介で弊社へ問合せをしたそうです。


この話をお聞きして、驚きました。
上棟式用の手ぬぐいって、どこにも置いて無いんだ。

上棟式用手ぬぐい
　http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/tn-ji006/



弊社では、上棟式用の手ぬぐいを在庫しています。
なので今回のお客様の件は、かろうじて上棟式に間に合いました。


今回お客様は、結納品の店、和雑貨、祭り用品、果てはお餅屋、米屋、金物屋まで回ったそうです。
日にちが動かせない物なので、その苦労を考えると何も言えなくなります。



なので改めて声を上げます。
弊社には、上棟式用の手ぬぐいが、いつでも有ります！

上棟式用手ぬぐい

先日、楽天ショップに載せている「上棟式用の手ぬぐい」を、あす楽（13時までの注文で、指定地域内へ翌日配送）の対象商品にしたら、注文が増えました。


楽天ショップ旅館浴衣の専門店アイエス産業　上棟式用手ぬぐい
　http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/tn-ji006/



以前は註文をいただいてから工場に発注し翌日到着で送ってもらっていましたが、社内に在庫を置き、即日発送できるようにいたしました。
やはりこのような伝統的な儀礼用手ぬぐいは、 使う日がきっちり決まっているので確実は発送が求められます。
社内に在庫があれば、即発送できますので、お客様の心配も軽減されます。

先日は、直接会社に買いに見えた方もいらっしゃいました。
在庫があると、今欲しいという方にも対応できます。


また商品自体は、伝統的な注染で染められていますので、何処へ出しても大丈夫なしっかりとした手ぬぐいです


弊社でも自信を持ってお薦めする商品の一つです。

旅館浴衣は縮みます

弊社で取り扱っている浴衣は、旅館やホテルなどで使われている業務用の浴衣です。

旅館やホテルなどで出される浴衣は、寝巻として使う物。
なので肌触りが良いように”綿”生地を使います。


で、綿の浴衣は、洗うと縮みます。
ええっ！ってくらい縮みます。

いきなりギューって縮むんじゃなくて、洗濯するたびに少しずつ縮んでいき、気が付いたら「おおっこんなに！」と言う感じです。

綿の浴衣は1割前後縮みますが、1割って言っても実感がないかもしれません。

大体　10ｃｍ強　縮みます。


えっ！！そんなに縮むの？！と驚かれるかもしれませんが、そういえば普段見に付ける洋服は化繊が多いし、天然素材と言ってもニット織も多いし、あと事前に防縮加工されている物もあるし。

洋服が縮むのに慣れていないから、縮む、縮むと言っても実感もって感じてもらえないのでしょうか。


とにかく浴衣は洗うと縮みます。

在庫特価品陣羽織

弊社で取り扱っている商品は、旅館やホテルなどで使われている業務用の繊維製品です。


ようやく在庫特価品の茶羽織半天5点と陣羽織1点、計6点を楽天ショップに載せることができました。


楽天ショップ旅館浴衣の専門店アイエス産業　アウトレット
　http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/c/0000000105/

今回は、アクリルウールの生地を新たに半天に仕立て直しました。
なので「在庫特価品」というより、在庫の生地で仕立てた新商品、と言う方が当たっているかもしれません。


「生地があるならわざわざ製品にしなくても、旅館やホテルに売りこんじゃえば。」

いえいえ、旅館やホテルでは継続性が必要です。
数年後の追加補充の際に、同じ生地が有ることが必須条件です。
なので別注の生地が、少しばかり残っていてもどうにもなりません。



どの商品も新たに仕立てていますが値段は在庫特価です。
かなりお買い得な商品です。

収縮しやすい生地

収縮率の話が出たついでに・・・・

基本的に、天然素材の糸は縮みます。
（綿とか麻とかウールとか。）
これは、繊維自体に元の形に戻ろうとする性質があるからです。


また、太い糸は大きく縮みます。
細い糸は製糸の際、固く撚られますので縮みにくくなります。

業務用の繊維製品の中で一番多く使われているのが、20番手の糸ではないでしょうか。
浴衣生地もシーツもタオルもおしぼりも、はたまた手ぬぐいまでも20番手の糸を使っています。

20番手の糸より細い糸の中では、30番手の糸がつかわれます。


基本的にですが、
20番手糸＞30番手糸　縮みはこうなります。


長く使われる物は、収縮率も考えて作られています。

旅館浴衣の出荷

旅館やホテルなどで使われている業務用の浴衣は、夏祭りや花火大会の時に着る一般用の浴衣と違って、業務用として味もそっけもない形で発送されます。


といいますか、お客様に到着次第箱から出されて洗濯機に投入されるのですから、そっけなくても良いのですが。



本日出荷分の浴衣、20枚です。
縫製屋さんから上がってきたばかりの浴衣です。

今回、この浴衣をこのまま梱包用の厚紙で包んで出荷します。
一般用の浴衣でしたら 一枚ずつビニール袋に入れたり、台紙を入れたりするのでしょうが、業務用なのでこのままくるみます。


初めて旅館浴衣の出荷を見た方は、「え～！このままなんですか！？」と驚かれますが、逆に色々付けるとお客様に嫌がられます。
だってすぐに洗濯機に入れたいのに、あれを外してこれもとって・・・なんてやっていたら、時間ばかりかかってしまいますから。



因みに、業務用のシーツやタオルなども同じように味もそっけもない梱包です。

旅館浴衣の収縮

綿やウールなど、天然の素材は洗えば縮みます。
化学繊維は縮みません。


旅館やホテルなどで使われている浴衣は、寝巻として使われる物ですので、当然肌触りの良さが大切です。
なので素材には綿を多く使います。


先にも上げたように”綿”は縮みます。
縮むと言っても、縮むのは縦方向です。

旅館浴衣に良く使われる、30/20綿生地は約8～12％の収縮率です。
T/C生地ですと、5～8％の収縮率です。

乱暴に言うと、大人用の浴衣で10ｃｍ前後縮みます。


縫製の際、気を付けなければいけないのは、各部品が同じように縮むので縮むもう方向をそろえることです。

通常ですと、袖も身ごろも衿も全部縦方向に縮むよう作られていますが、時々中国製の浴衣で衿だけ横方向になっていたりと、てんでばらばらになっている物があります。

そうなると、あちこちでシワがよったりゆがんだり、と衣類の体をなしません。




業務用の浴衣は、繰り返し繰り返し洗濯をして使われる物ですので、せっかくオーダーメイドしてもきちんと作られていないと使いものにならなくなってしまいます。